「試験に受かったのに、まだ一人でお店に立てないの?」 「実務経験が足りなくて、いつまでも『研修中』のまま…」
登録販売者の資格には、合格しただけでは終わらない「実務経験の壁」があります。 正規の登録販売者(管理者)として働くには、「直近5年以内に通算1920時間以上」の実務経験が必要です。
この計算が非常にややこしく、「自分が今何時間なのか分からない」「あとどれくらい働けばいいの?」と悩む人が続出しています。
この記事では、複雑な実務経験の条件を「小学生でも分かるように」図解し、最短で条件を満たすための「魔法のシフト計算」を伝授します。
そもそも「1920時間」ってどれくらい?
1920時間と言われてもピンときませんよね。 働き方別に、達成までの期間をシミュレーションしました。
フルタイム(正社員)の場合
- 1日8時間 × 週5日 = 週40時間
- 1920時間 ÷ 40時間 = 48週
- ⇒ 約1年で達成!
パート(扶養内)の場合
- 1日5時間 × 週3日 = 週15時間
- 1920時間 ÷ 15時間 = 128週
- ⇒ 約2年半かかる!
このように、パート勤務の方は計画的にシフトに入らないと、いつまで経っても研修中のままになってしまいます。
【裏ワザ】「掛け持ち」で時間を稼ぐ方法
実は、実務経験は「複数の店舗の合算」が可能です。 今の職場だけではシフトに入れない場合、「ドラッグストアとコンビニの掛け持ち」などで時間を稼ぐことができます。
- A店:週10時間
- B店:週10時間
- 合計:週20時間 ⇒ 約2年で達成可能
ただし、退職時にそれぞれの店舗から「実務従事証明書」を貰う必要があるので、円満退社を心がけましょう。
絶対にやってはいけない「証明書の紛失」
転職する際、前の職場で働いた時間の証明書(実務従事証明書)をもらい忘れると、その時間は「無効」になります。 再発行を頼むのは気まずいし、最悪の場合「データが残っていない」と断られることも…。
【対策】
- 辞める時は必ず証明書を発行してもらう。
- 証明書はコピーを取って自宅で保管する。
- 自分の勤務時間は、給与明細などで毎月メモしておく。
要注意!せっかく働いたのに「実務経験」として認められないケース
「1920時間働いたはずなのに、管理者になれなかった…」
そんな悲劇が実際に起きています。以下のケースに当てはまっていないか、今すぐチェックしてください。
1. 「直近5年」の期限切れ
実務経験には「過去5年以内」という期限があります。
例えば、6年前にドラッグストアで3年間働いていたとしても、それは計算に入りません。
「昔取った資格を活かして復職したい」という方は、またゼロから時間を積み上げる必要があるため注意が必要です。
2. 業務内容が「販売」ではない
同じドラッグストア勤務でも、以下のような業務は実務経験に含まれない可能性があります。
- 品出し専属スタッフ(医薬品にお客様と関わらない)
- 調剤薬局の事務(薬剤師の補助のみで、医薬品販売に関与していない場合)
- 配送ドライバー
必ず「一般従事者」として登録し、医薬品販売の実務に関わっていることが条件です。
3. 会社が証明書を出してくれない(倒産など)
レアケースですが、以前勤めていた会社が倒産してしまったり、ケンカ別れして連絡が取れなくなったりすると、証明書が入手できず「詰む」ことがあります。
どんな理由であれ、証明書という「紙」がなければ、その時間は幻になります。
退職する際は、何をおいても証明書だけは確保してから辞めるようにしましょう。
実務経験のよくある質問
Q. 品出しやレジ打ちの時間も含まれますか?
A. 基本的には含まれます。
ただし、厳密には「薬剤師または登録販売者の管理下で、医薬品販売の実務に従事した時間」が必要です。
一日中バックヤードで荷下ろしだけをしていたり、医薬品を扱わない店舗(コンビニの通常業務など)での時間はカウントされない場合があるため、店長やエリアマネージャーに確認が必要です。
Q. 産休・育休中の期間はどうなりますか?
A. 残念ながらカウントされません。
実際に勤務した時間のみが対象です。ただし、「直近5年以内」という期間の縛りがあるので、休んでいる間に過去の経験が無効にならないよう注意が必要です。
Q. 合格前のアルバイト期間もカウントできますか?
A. できます!
資格を持っていなくても、一般従事者としてドラッグストアで働いていた期間は「実務経験」として加算されます。
学生時代にアルバイトをしていた方は、その店舗から証明書をもらえば、即戦力として管理者になれる可能性があります。
まとめ:自分の時間は自分で管理しよう
実務経験の管理は、会社任せにせず自分で把握することが大切です。
- 正社員なら1年、パートなら2年以上かかる
- 掛け持ちで期間短縮も可能
- 証明書は命より大事(絶対なくさない!)
一日も早く「研修中」の名札を外して、一人前の登録販売者として活躍してくださいね。
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